臨床検査室
臨床検査室は5つの係に分かれ、臨床検査技師が様々な検査を行っています。また、経験を重ね、より専門的な知識と技術を習得した認定血液検査技師、国際細胞検査士、細胞検査士、認定超音波検査士、認定輸血検査技師、認定臨床微生物検査技師、認定心電検査技師なども活躍しています。
細胞検査士(日本臨床細胞学会):6名
国際細胞検査士(国際細胞学会):5名
認定病理検査技師(日本臨床衛生検査技師会):1名
認定血液検査技師(日本検査血液学会):2名
認定輸血検査技師(日本輸血細胞治療学会):1名
超音波検査士(循環器領域)(日本超音波医学会):2名
超音波検査士(体表領域)(日本超音波医学会):2名
超音波検査士(腹部領域)(日本超音波医学会):1名
超音波検査士(検診)(日本超音波医学会):1名
認定心電検査技師(日本不整脈心電学会・日臨技):1名
認定臨床微生物検査技師(認定臨床微生物検査技師制度協議会):1名
感染制御認定臨床微生物検査技師(日本臨床微生物学会):1名
上級健康食品管理士(日本食品安全協会):1名
特定化学物質及び等作業主任者(厚生労働省):3名
院内がん登録実務者認定初級(厚生労働省/国立がんセンター):3名
心電図検定1級(日本不整脈心電学会):1名
心電図検定2級(日本不整脈心電学会):1名
平衡機能検査講習終了(日本めまい平衡学会):6名
聴力検査講習終了(日本聴覚医学会):7名
脳波・筋電図技術講習会終了(日本脳波・筋電図学会):1名
甲状腺検査技師養成講座終了(日本臨床衛生検査技師会):2名
医療安全管理者統制研修会(全国自治体病院協議会):1名
医師とメディカルスタッフのための栄養管理セミナー(日本病院会):1名
1.血液係 2.生化学係 3.細菌係 4.病理係 5.生理係
1.血液係
血液中の細胞(白血球・赤血球・血小板など)数や形態の検査、または血液の凝固・線溶検査などを行っています。
- 血液検査
血球数は種々の疾患の指標となります。白血球数は、炎症反応に大きく値が変動します。赤血球数は、出血や生成不良などで減少して貧血になります。血小板数は少なすぎると、出血傾向がみられるようになります。また、顕微鏡を用いての形態観察は、多くの情報を与えてくれます。白血病など血液疾患の発見に欠かせない検査です。
- 凝固機能検査
血液の中には血液を固める(凝固)成分といったん固まった血液を溶かす(線溶)成分があります。
血液が凝固する能力を調べる検査としては、凝固に必要な因子が正しく働いているか調べる「PT、APTT」、血液凝固の最終段階で重要な働きをする「フィブリノーゲン量」などがあります。出血傾向のスクリーニングや血栓の予防のため、抗凝固療法のモニタリングなどを行っています。

2.生化学係
血液の液状成分(血清)や尿、便、髄液、精液、体腔穿刺液(胸水、腹水、心嚢液)などの検査を行っています。
- 生化学検査
全自動分析装置を使用しAST、ALT、LDH、γ-GTP等の肝機能検査や尿素窒素、クレアチニン、電解質などの腎機能検査、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪等の脂質検査、血糖、HbA1c等の糖尿病検査、TSH、FT3、FT4等の甲状腺ホルモンやHBs抗原、HCV抗体、HIV抗体、梅毒などの感染症検査を行っています。また、地域がん診療連携拠点病院であることから、CEA、CA19-9、PSA等の各種腫瘍マーカー検査も行っています。
- 一般検査(尿、便)
尿は血液が腎臓でろ過され老廃物として生成されたものです。尿の検査はタンパク質や糖の有無、結晶などの有形成分を顕微鏡で見ています。尿に含まれる細胞形態観察から膀胱がんなどが発見されることがあり、病気の早期発見につながります。また、便に含まれるごく微量の血液成分を検査し、大腸がんの早期発見に役立っています。
- 尿定性検査
全自動尿分析装置を使用して、pH、タンパク、糖、ウロビリノーゲン、ビリルビン、ケトン体、潜血、白血球、亜硝酸塩、比重、微量アルブミン、クレアチニンを測定しています。
- 尿沈渣検査
赤血球、白血球、上皮細胞、円柱(腎障害の指標)、結晶の有無を顕微鏡で確認し、腎、尿路系の疾患をスクリーニングします。
- 便潜血検査
自動便潜血分析装置を用いて、ごく微量の腸管出血をとらえることが、大腸がんや腸管疾患の早期発見につながります。

3.細菌係
感染症の原因菌を探し、適切な治療薬を調べるのが主な仕事です。大きく分けると、次の5項目の検査を実施しています。
- 一般細菌培養検査
食中毒や肺炎、膀胱炎、髄膜炎等の原因菌を見つけます。O157も見つけます。
- 薬剤感受性検査
50種類以上の薬剤から原因菌に効く薬を探しだし、治療に役立ててもらいます。
- 抗酸菌検査
結核菌などを早く見つけて、感染が広がるのを防ぐお手伝いをします。
- ウイルス抗原検査
インフルエンザウイルスやRSウイルス、A群β溶血レンサ球菌などの上気道感染症やクロストリジウムディフィシルやノロウイルス等の下痢の原因菌を迅速に検出する検査です。
- 院内感染サーベイランス
MRSA、多剤耐性緑膿菌等の薬が効かない菌の発生状況を随時院内に知らせ、患者様の安全のために目を光らせて見張る仕事です。

4.病理係
病理検査は、手術や内視鏡検査などで採取した臓器を診断する組織診検査と痰や尿、子宮擦過物などの細胞を調べる細胞診検査があります。また、病気を最終的に診断する病理解剖を行っています。スタッフには、認定病理医師兼細胞診専門医師と国際細胞検査士がいます。
- 病理組織診断
手術や消化管または肺の内視鏡検査で採取した組織を、薄切・染色をして標本を作製します。それらを顕微鏡で観察することにより、正常の構造が保たれているか、細胞の数や大きさ、配列、異型の有無などから良性・悪性を診断したり、腫瘍の広がりや悪性の強さなどを診断しています。
- 術中迅速組織診検査
臓器を摘出する範囲や転移の有無を手術中に判断します。術者へ迅速に結果を伝え、情報交換することにより、的確な手術を行うことができるようになります。
- 細胞診検査
婦人科子宮や気管支内視鏡、痰、体液(腹水・胸水など)から採取された細胞を利用して、良性・悪性や感染などを顕微鏡的に診断します。痛みや負荷が軽度で、何度も繰り返し実施できるのが大きな利点です。
- 病理解剖
不幸にも亡くなられた患者様の臓器を採取し、死亡原因の特定や病気の進行度合いなどを調べることにより、治療は的確なものであったかを最終的に判断します。病理解剖で得られる情報は、今後の治療および診断の向上に大きく貢献することになります。
5.生理係
人間の様々な生体機能を検査します。心電図、超音波検査(心臓・腹部・頸部血管・甲状腺)、肺機能、脳波、神経伝導検査、平衡機能、睡眠時無呼吸などの検査を行っています。
- 心電図検査
健康診断で必ず行われる検査です。心臓が活動するときに、心筋の収縮により発生する活動電流の変化を波形として記録する検査です。心筋梗塞、不整脈、心臓の肥大などがわかります。運動負荷をかける心電図や24時間心電図を記録する検査もあります。
- 心臓超音波検査
体の表面から超音波をあて、心臓の形態、動き、血液の流れをみる検査です。心臓の形態や機能を評価し、診断および経過観察に役立つ検査です。
- 腹部超音波検査
体の表面から超音波をあて、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓の大きさや形態をみる検査です。膵臓は奥深い場所にあるため、見えにくくなります。
- 頸部血管超音波検査
頸部(首)の動脈の血管性状や血流動態を調べ、脳血管の血行動態をみる検査です。頸動脈の内中膜の厚さを調べることで、他の血管の動脈硬化病変も推測できます。
- 肺機能検査
肺活量(どのくらい息を吐けるか、吸えるか)などを測定して、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの診断や手術時の麻酔量を決定するための検査です。
- 脳波検査
脳の活動による弱い電流を波形として記録し、脳の病気の診断補助や治療効果の判定を行います。
- 神経伝導速度検査
手足など末梢神経に電気刺激をあたえて、神経の興奮が伝わる速さや筋肉の活動状態を検査します。
- 平衡機能(めまい)検査
めまいの検査で、主に内耳の働きを見ます。視標を眼で見てもらったり、鼓膜の温度を変化させることにより、めまいを誘発して眼の動きを記録します。
- 睡眠時無呼吸検査
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まった状態が繰り返される病気で、大きないびきをかいたり、日中強い眠気を感じたりします。ポリソムグラフィー(PSG)を用いて、一晩入院して脳波や呼吸、いびきなどを記録します。
医師紹介
医師 氏名 |
所属学会 |
履歴 |
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大竹 浩也 |
日本病理学会(専門医・病理専門研修指導医)
日本臨床細胞学会(専門医) |
H7 山形大学医学部卒 |