当院の一般病棟を退院した患者数を年齢階級別（10歳刻み）で表示しています。
　地域医療支援病院である当院は、幅広い年齢層の患者さんに医療を提供しています。なかでも、60歳以上の患者さんは全体の7割以上を占めており、症状が重症化しやすい高齢者の入院が多くなる傾向にあります。

　がん治療目的で当院に入院された患者数です。
　「初発」は、がんが初めて見つかり、当院で診断または初回治療を行った患者さんを示しています。一方「再発」は、初回治療後に再度診療を受けた患者さんを指し、自施設・他施設での初回治療を問わず、当院で診療を行った方が対象です。これには、寛解後に局所再発・再燃あるいは新たな遠隔転移を認めた患者さんも含まれます。
　「ステージ」とは腫瘍の進行度を表す指標であり、ステージⅠは局所に限局した早期のがん、ステージが進むごとに病状が進行し、ステージⅣでは他の臓器などへの転移を認める進行がんを示します。

　成人の市中肺炎について、重症度別に患者数・平均在院日数・平均年齢を示したものです。
　市中肺炎とは、医療機関以外の環境で発症した肺炎のことです。入院中や医療処置を受けている最中にかかる肺炎（院内肺炎）とは区別されます。
　DPC制度における「入院の契機となった傷病名」および「医療資源を最も投入した傷病名」のいずれもが肺炎である症例を対象に集計しており、市中肺炎以外の症例、ならびにインフルエンザや新型コロナウイルスなどによるウイルス性肺炎、および誤嚥性肺炎は除外しています。
　本データにおける重症度は、肺炎の診療において広く用いられているA-DROPスコアを採用しています。A-DROPスコアは、年齢（Age)・脱水（Dehydration）・呼吸状態（Respiration）・意識レベル（Orientation)・血圧（Pressure)の5項目について評価し、それぞれを点数化することで、肺炎の重症度を総合的に判断する指標です。

　「医療資源を最も投入した傷病名」が脳梗塞である患者さんを対象に、患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を示したものです。
　当院では、脳梗塞発症から3日以内の急性期の患者さんを多く受け入れており、患者さんの平均年齢は78歳と高く、高齢の方が多いことが特徴です。治療としては、t-PA（血栓溶解療法）による薬剤治療や、日常生活動作（ADL)の改善を目指したリハビリテーションなど、多面的なアプローチを行っています。

　播種性血管内凝固（DIC)・敗血症・その他の真菌症・手術または術後の合併症について、「入院の契機となった傷病名」と「医療資源を最も投入した傷病名」が一致しているかどうかを区別し、それぞれの患者数および発症率を示しています。
　播種性血管内凝固（DIC)は、重度の感染症や悪性腫瘍などの基礎疾患を背景に、全身の小血管で血液凝固が異常に亢進し、血栓が多発する疾患です。
　敗血症は、何らかの感染症を契機として、血液中に細菌・ウイルス・真菌などの病原体が侵入・増殖し、心臓・肺・腎臓などの多臓器機能障害を引き起こす全身性炎症反応症候群（SIRS)です。
　真菌感染症とは、カビや酵母によって引き起こされる感染症で、感染の深さによって表在性真菌症（皮膚など）と深在性真菌症（内臓・血液など）に分類されます。代表的な病原体には、カンジダ属、アスペルギルス属、クリプトコッカス属などがあります。
　手術や処置に関連した合併症を主因とした入院では、透析シャントの閉塞、術後の感染症、人工関節挿入後のゆるみなどが該当します。