▼薬はいつ、どのように飲めばいいの?
病気を治す目的で服用する薬。しかし、せっかくの薬も正しく使用しなければその効果は期待できません。薬をもらう時に、「1日3回、1回2錠、食前に水又はぬるま湯で服用」というような指示をよく見かけますが、意外と、この中で出てくる「食前」という時間の目安が分からない方は多いのではないでしょうか?
今回は、薬を飲む時間の目安を紹介したいと思います。
○ 食前
食前とは、食事をとる約30分位前をさします。
吐き気止めや胃酸の分泌を促して食欲を出す健胃薬などがあげられます。「食前服用」と指示されているもののほとんどは、食事の直前でも問題ありませんが、一番効果
が得られるのは30分前です。
○ 食直前
食事をとる5分から10分前をさします。
病院で処方される速攻型のインスリン分泌促進型経口糖尿病薬などがこれにあたります。この薬の場合、食前(食事の30分前)に服用してしまうと、食事をとる前に低血糖を起こしてしまいます。
○ 食直後
食事をとったすぐ後をさします。
胃腸障害を起こしやすい鎮痛剤や抗生物質、満腹時の方が吸収のよいビタミン類などは食直後に服用します。
○食後
食後とは、食事をとってから約30分以内をさします。
ほとんどのお薬がこの「食後」と指示されています。
時々、「食事が不規則なのですが、それでも食後でしょうか?」とか、「食欲が無くて食事を取れていないのですが、そのような時は薬は飲まなくていいのでしょうか?」とおっしゃる方がいらっしゃいます。「食後」と指示されているものの多くは便宜上飲み忘れを防ぐためです。食事を取る取らないにかかわらず、「1日3回食後」の指示の場合は、約8時間おきを目安に薬を服用するようにして下さい。
また、特に「食事の30分後」と指定されていない限り、食事のすぐ後でも構いません。この時間にはまだ食べ物が胃に残っており、胃に刺激が少なく、ほどよく吸収されるので胃腸障害を起こしやすい消炎鎮痛剤などのお薬は食後に服用します。
○食間
食事と食事の間の空腹時、食事の2時間後が目安です。
空腹時の方が吸収の良い漢方薬や、空腹時の胃液分泌を防ぐ制酸剤などは、食間に服用します。
○ 就寝前
寝る30分から1時間前です。
催眠剤や便秘薬などは、就寝前に服用します。 便秘薬については、効いてくる時間が6時間から8時間後と、個人差がありますので、翌朝出かける時間から逆算して服用しても構いません。ただし、便秘薬は空腹時の服用が原則なので、夕食後2時間以上はあけてください。
制酸薬や抗高脂血症薬のいくつかは就寝前に服用します。これは、胃酸の分泌とコレステロールの合成は夜間に活発なることがわかっているためです。また、眠気の副作用が強い抗ヒスタミン剤なども就寝前に服用することが多いです。
就寝前に薬を服用すると、薬が十分に溶けて拡散する前に横になることになりますので、消化管に障害を起こしやすい抗生物質などは、原則として就寝前には服用しません。
○ 起床時
起きてすぐの時間です。
起床時は空腹なので、より空腹の方が吸収効率が良い薬などは起床時に服用します。骨粗鬆症の薬のいくつかは、起床時に服用します。
○ 頓服
食事の時間に関係なく、応急的に服用します。
市販薬ではこのような記載はありませんが、病院で処方されるお薬については、解熱剤、鎮痛剤などが、必要に応じて飲むように指示されます。
▼薬を服用するときの注意
※薬を服用する際は必ず起き上がった状態で、コップ1杯の水、又はぬるま湯で飲んでください。 横になった状態で飲んだり、水分が足りなかったりすると、薬がのどで引っかかってしまう場合があります。すると、そこに炎症を起こしたり、薬がうまく吸収されず、効果が発揮されなくなります。また、タップリの水で飲んだほうが、薬が胃の中で溶けやすく、効率よく吸収され、効果を発揮します。
※お薬は水で服用することを前提につくられています。一部の抗生物質や漢方薬など、ジュースやお茶と相性の悪いお薬もありますので、水やぬるま湯で飲むことがおすすめです。
※飲み忘れたからといって2回分まとめて服用しないでください。飲み忘れに気付いたときは、その時点で飲むか、次の服用時間が近い場合1回飛ばしてください。なお、薬の種類によっては、飲み忘れた場合の対処法が決まっているものもあります。あらかじめ、医師や薬剤師に確認して下さい。
※特別の指示が無い限り、薬は普通かまずに服用して下さい。特に1日1〜2回飲めばよい薬(長時間効く薬)は絶対にかまないようにして下さい。(かむと、効果の持続時間が短くなる場合が多いのです。)
▼用法・用量をきちんと守って下さい
薬は決められた量、回数、飲み方(食前、食後、食間など)を守らなければいけないと言われます。なぜでしょうか。 決められた量よりも多く飲んだり、短い間隔で飲むと薬が効きすぎて副作用を起こすことがあります。
また、少なく飲んだり、間隔を長くあけて飲むと、充分な効果が現れないこともあります。ですから、決められた分量や回数はきちんと守って下さい。
薬によっては、量や服用時間にそれほど神経質にならなくてもよいものもありますが、その判断はやはり主治医に相談して決めるようにして下さい。自分かってに調節する前に、まず自分の症状を医師に正しく伝えることが大切です。
▼薬の保管には十分注意して下さい
- 子供の手の届かないところに
- 水薬は冷蔵庫に、ただし特別な指示がない限り冷凍しないように
- 薬は湿気(浴室や台所)や熱、直射日光を避けて、涼しい場所に
- 有効期限切れの薬を使用しないように
以上、注意して保管してください。
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